以前治療した歯の根元や歯ぐきが黒ずんでしまっていませんか?笑ったときに歯ぐきが黒いと気になりますよね。特に肌が白い方やホワイトニングで歯を白くした方だと余計に目についてしまいます。この黒ずみを悩んでいらっしゃる方は、結構いらっしゃいます。黒くなった原因によって治療法は異なりますが、意外と簡単にきれいに治ります。歯ぐきが黒ずむ原因とそれぞれに有効な治療法についてご説明していきます。本来のきれいなピンク色の歯ぐきを取り戻してワンランク上の素敵な口もとを手にしてください。
ブラックマージン
この黒ずみはブラックマージンと呼ばれています。マージンとは修復物の縁のことです。まさに修復物と歯ぐきの境目にできる黒いラインであり、ブラックラインと言われることもあります。ブラックマージン自体が原因で痛みなどが出ることはありませんが、不健康に見え、前歯などの場合は笑った時に目立つので、治療を希望される方はたくさんいらっしゃいます。
ブラックマージンの原因
ブラックマージンの原因はいくつかありますが、もっとも多い原因は、歯ぐきが下がることにより修復物の縁の金属が露出して見えてくるものです。その他にも修復物の縁の光の透過具合により黒く見えたり、金属の成分が歯ぐきに流出して、刺青のように変色させてしまうことも原因になります。
1.かぶせ物の金属が露出している
保険治療でのかぶせ物では内側に金属を使っているため、歯ぐきのラインが下がることで、歯ぐきと接する部分のかぶせ物の金属が露出し黒く見えることがあります。また歯ぐきが下がらないにしても、金属により透過光が遮断されるため、増陰現象により薄黒く見えてしまいます。
このような症状は、オールセラミックのかぶせ物に変えることで改善できます。オールセラミックは、金属による審美的な阻害要因であるフレームメタルの影響がなく、透過光が遮断されず適度に透過することができるため、天然歯特有の自然な透明感や深みのある色の再現が可能となります。また増陰現象による辺縁歯肉の変色やブラックマージンを回避することが出来ることから、審美性を優先的に考慮した場合、もっとも優位性の高い治療法といえます。
2.かぶせ物と歯ぐきとの間にすき間がある
適合性の良くないかぶせ物を装着した場合、すき間が出来てしまいます。このすき間は段差であるため、影となってブラックマージンを作り出します。
3.歯ぐきが下がり歯根が露出している
かぶせ物を入れてなくても、ブラックマージンが出来ることがあります。歯の頭である歯冠部と歯の根っこである歯根部とでは、同じ歯といえども色が違います。歯冠部は透明感のある白色で、歯根部はやや濃い黄色です。そのため加齢や歯周病で歯ぐきが下がると、黒いライン状に見えるようになります。
4.かぶせ物の内側の金属成分によるもの
金属の成分がイオン化して歯ぐきに溶け出して、刺青と同じ原理でブラックマージンが出来ることがあります。1番原因となりやすいのは、銀を含んだ合金の素材です。銀が唾液と反応することで銀イオンが溶け出し、歯ぐきは黒く染まります。これが原因である場合、きれいなピンク色の歯ぐきを取り戻すのは難しいです。保険治療でのかぶせ物では、一見白いかぶせ物のように見えても、内側や裏に補強のための金属が使用されていることが多いため、ブラックマージンの原因となりやすいです。また溶け出して体内に取り込まれた金属により、金属アレルギーやアトピー性皮膚炎などを引き起こす可能性もあります。
ブラックマージン治療のポイント
まず現在のお口の状態を確認し、ブラックマージンが出来ている原因を特定します。基本的には土台となるコアも含めてかぶせ物の再治療となります。その際治療に用いる材質は、セラミックなどの金属を用いないメタルフリー治療となります。治療を進めていくにつれ、歯の根元や歯ぐきの変色は改善されています。もとの自然で健康的な色に戻り、歯は白く明るい、自然な透明度を持った仕上がりになることでしょう。
1.金属を含まないかぶせ物を装着する
黒くなった歯ぐきも適切な治療を行うことで、ピンク色の健康的な状態に回復させることができます。ブラックマージンの一番の原因は、内側が金属でできているかぶせ物を使用していることです。
先ほども書きましたが、セラミック治療することにより、金属による審美的な阻害要因であるフレームメタルの影響をなくすことが出来ます。透過光が遮断されず適度に透過することができるため、天然歯特有の自然な透明感や深みのある色の再現が可能となります。また増陰現象による辺縁歯肉の変色やブラックマージンを回避することが出来ます。
2.支台歯にファイバーコアを用いる
金属イオンにより歯が黒くなりやすい銀を多く含んでいるのは、かぶせ物の土台となるコアです。それに含まれる金属成分が溶け出すことで歯ぐきが黒くなっている場合は、原因となっている土台を取り除く必要があります。
このような症状の場合、歯の土台としてファイバーコアを用いることで防ぐことができます。ファイバーコアは、グラスファイバーとプラスチックレジンでできています。色も白く、歯を変色させることがありません。さらに天然の歯に似た強度を備えているため、歯の強度を高めることができ、歯全体を強くして破折しにくくすることもできます。
3.適合性の良い、歯ぐきと調和したかぶせ物を装着する
歯、歯ぐきに調和して、なめらかで隙間のないかぶせ物にすることで、後々のトラブルも回避できます。歯の色や形のバランスなど、わずかな違いにより、歯が美しく見えたり、不自然に見えたりするものです。
4.歯周病の治療を受ける
歯周病の治療を受けることで歯ぐきが下がることを予防していきましょう。定期的に歯についた汚れや歯石を隅々まで取り除くことで、口腔内を健康な状態に保つことができます。