ハイブリッドセラミック系 エステニア
・材質向上が目覚ましいハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは本来のセラミックに比較して、まだまだ改善点や劣る点は多々あります。しかし研究の結果、近年材質は飛躍的に改善されてきています。いくつかの種類がありますが、ここではエステニアという名称のハイブリッドセラミックについてご紹介します。
エステニアは従来の硬質レジンの欠点である機械的強度、耐摩耗性、吸水性を向上させるために平均粒径0.02㎛の超微粒子フィラーを高密度充塡したハイブリッドセラミックです。
超微粒子フィラーの充填率を92wt%(重量%)にまで高め、レジンとフィラー界面の接着、マトリックスを強化することにより、圧縮強度600MPa、曲げ強度200MPa、ビッカース硬度190Hvと優れた機械的性質を有しています。
18K相当の硬さと高い靭性を兼ね備え、硬質レジンと比較して格段の強度と耐久性を持っています。すなわち、エステニアは機械的強度に優れ、弾性率、熱伝導率もエナメル質と象牙質の中間に位置し、力学的にも天然歯に調和している材料とされているのです。
また、材料強度があるためメタルとの接着性にも優れ、メタルフレームに築盛することにより、多くの治療に応用が可能です。さらに多層の築盛を行うことで色調再現性を向上させることができ、光および加熱重合することにより機械的強度も向上します。このように広く臨床応用されている歯冠修復材料なのです。