メタル系 ゴールド
・それでもゴールドが選ばれる理由
歯に優しい材質はなんでしょう?色々な考え方があるでしょうが、金、つまりゴールドをあげる歯科医師も多いと思います。私の口の中にもゴールドクラウンが入っていますし、ゴールド修復物を選択される患者さんは「詳しいな」と思ってしまいます。なぜゴールドが素晴らしい材質なのでしょうか?審美歯科というとセラミックのイメージがありますが、最近ではゴールドについても再考されています。 ここではセラミックではありませんが、ゴールドの有り余るメリットついて紹介していきます。
・1000年以上歴史ある歯科材料
現在歯科治療において、限りない修復材料の治療選択肢があり、患者さんはその中から1つを決めなくてはいけません。白いセラミックも第1治療選択になるでしょうが、耐久性や再治療の少なさの観点からいうと、ゴールドも第1選択になりえます。他の材質と比べ、ゴールドは長持ちする可能性、つまり耐久性が圧倒的に高いのです。もしゴールドをためらう理由があるとすれば、それは白い歯の色ではないということです。
セラミックはまだ歴史の浅い治療法です。しかしゴールドは1000年以上前から歯科治療に使用され続けている素材です(もちろん現在と同じ治療技術レベルではありませんが)。使われ続けているのは、それだけ信頼性が高いからです。ゴールド修復物は15年は十分大丈夫と言われています。ゴールドを選ぶ1番の理由は、「長持ちする」ということ。「一生大丈夫です」とは確約できませんが、それでも治療後40年以上を問題なく過ごしたゴールド治療の症例報告も数え切れないほどあるのです。
・ゴールドの特性
長持ちする「耐久性」については先述したとおりですが、その他にも他の材質にはない「伸びやすい」という特徴があります。金箔の製造過程をみたことがある方は理解しやすいと思いますが、ほんの少しの金をたたいて伸ばすことで、紙のような薄さにすることも可能です。つまりゴールドは金属でありながら適度に軟らかいのです。これは歯にとって優しく、重要な特性です。破折しにくく、噛むことによって適切に形態に自然と整っていき、より歯に隙間なく密着するのでむし歯にもなりにくいということにつながるからです。
・ありあまるゴールドのメリット、少ない欠点
上述のようにゴールドには、歯にとって良い特性がたくさんあります。むしろ欠点の方が少ないくらいです。繰り返しますが、ゴールドをためらう理由があるとすれば、それは歯の色ではなく金属色ということです。白くないというだけで選ばれないのは、惜しい材質なのです。ゴールドの少ない欠点と多くの利点を表にしました。
利点 |
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欠点 |
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